第91話 謎の少女の正体は?(15)

「だから隠した方がいいぞ」とも、付け加えてね。


 と、なれば?



 思春期でも籍の方は、免疫力を有しているから全く反応を示さないけれど。彼の向かいに座る。


 そう、後ろを向き、籍と会話をしていた健司の方は、年齢相応の思春期の少年だから。彼は普通に思春期の健全な少年だから。それらしく振る舞い始めだすのだ。


 そう、己の男、オスとしての性の性を剥き出しにしながら。


「ウ、ウソ~? ど、何処? 何処に見えるんだぁ、あああ~? 胡亥(こがい)さんの下着と柔肌の太股がぁあああ~?」と。


 己の身を乗り出しながら驚愕、驚嘆、破廉恥極まりない下品な台詞を吐きながら。


 籍と胡亥(こがい)が座る椅子を上から覗き込もうと試みるのだが。


「おい、おい、健司。そんな大きな声で興奮しながらしゃべるな。と、言うか? 叫ぶな! 胡亥(こがい)が、クラスのみんなの注目を浴びるようになるから静かにしろ」と。


 自分達二人……。




 まあ、籍と胡亥(こがい)姫さまの二人のことなのだが。己の前で、声を大にして叫んだ健司へと。籍は諫めの台詞を告げる。

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