第84話 謎の少女の正体は?(8)

 でも、そんな様子の籍を横目に、と言うか? 健司はこの通りの、余り周りのことを気にしない唯我独尊タイプの少年だからね。胡亥(こがい)に対して、『お前がくれたゲームをプレイした日の夜から女性のお化けが出て、取り憑かれている状態なんだよ。だから俺は不眠症なのだ』と、不満を告げ、説明をする訳にはいかないから、さて、どう説明をしようと、己の脳内で模索しながら思案中の籍を放置して。


「以前、胡亥(こがい)さんが、籍だけに渡した。自国のSGLゲームゲーム……。あれのことで、籍と話しが弾んで、会話が盛り上がっている最中だったのですよ」と。


 胡亥(こがい)へと説明。相変わらず己の顔の中にある箇所を全部緩め、伸ばしながら、だらしない表情で胡亥(こがい)へと説明をする。


「へぇ~そうなのですか~?」


「はい、そうなのですよ。胡亥(こがい)さん……」と。


 胡亥(こがい)は健司から説明を聞き、終えると。最後は、『ふぅ~ん』と、いった様子で頷き、健司から籍へと視線を変える。


 そう、かえるのだよ。


 それもさ? 己の艶やなに濡れた、と、言うか?


 先程から何度も説明をした通りで、とてもJKの少女には見えないと、言うか? 年齢が不釣合いな大人の女性。淑女達のような妖艶な笑みをにやり、ウフンと、漏らし、微笑を浮かべなら。


「まだ、あのゲームをプレイしてくれていたんだ。籍。(フフフ)ありがとうね~」


 と、呟いてきたのだ。


 それも? 「籍~。わらわが座る事ができないから~。少し~。寄ってよ~。お願いだから~」と。


 甘くて官能的な声音での台詞も付け加えてね。

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