第29話 女同士の対面……(18)
それでも梁は、禁断の仲にある二人の恋仲を安易に認める気はない。
「じゃ、何故? その当たり前のことを貴女は籍としたの?」と。
姉である自分へと、泣きながらではあるのだが、荒々しい口調と声色で歯向かってくる伯へと梁も荒々しい口調で言い返す。
「知らないわよ。そんなこと……。籍のことが好きになったのだから仕方がないじゃない」
「あのさ~? 拍~? 仕方がないでは済まされないのよ。貴女と籍がしている事はね……。それぐらい貴女自身も、もう既に子供ではないのだからわるでしょうに……。なのに、なぜ貴女は、私の籍と……」と。
梁が拍に告げたところで。彼女の妹である拍は、自身の顔を両手で覆る行為をやめて──。梁の方へと視線を変える。
それも拍は、泣きながらではあるのだが。自身の姉である梁に対して、憎らしく呪う……。
そう拍は、自身の姉である梁のことを嫉妬に狂った娘。姉を呪うように、鋭い眼光で睨みながら。
「誰が私の籍ですか! 籍は姉さんの物ではない! もう私の物! それに私は今迄素知らぬ振りをしてきたけれど。以前から姉さんと籍の関係を知っているのだからね~。姉さんは先程から嫉妬に狂い。私ばかりが可笑しくて悪いと告げているけれど。叔母と甥の関係にある私と籍よりも。姉さんと籍の関係の方が余程可笑しいに決まっているじゃない姉さん~。違うかしら~?」
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