第10話 鬼火が舞う部屋の中の様子は?(8)
と、なれば?
妖艶、官能的な物の怪の彼女が、少年のことを愛しいと思う気持ちは、嘘偽りになるのかな?
だって彼女が先程、淡く甘く、艶やかに濡れた唇と吐息とを混ぜ合わせ、一つ一つの文字と動作を艶と、艶と動かしながら『籍~。愛している~』と、囁いた台詞が、物の怪の彼女の冗談。只思春期の少年へと囁き揶揄いながら。少年の反応を。妖艶で官能的な自分を凝視して照れる様子を伺い──。妖艶な官能的な物の怪の彼女が、自身の心の中で悪しき想い。『ククク』と、苦笑する為だけの演技だったのだろうか?
まあ、実際、そんな女性の物の怪、怪談話……。
妖艶、官能的な女性の魔物に対して、照れ恥ずかし素振りから。魅入り虜。若い少年の方も物の怪の女性に対してその気とやる気……。
妖艶、官能的な物の怪が自分に好意があると勘違い。自分に好意があるのだから肌と肌との触れ合いと交わりを安易にでき桃源郷へと誘ってもらえると思い。
自身の気を許し、隙を作って最後は『パクン! ムシャムシャ』と、音を立てながら食べられて、妖艶、官能的で美しい物の怪の血肉と若さ、美貌の糧となる話しのパターンかもしれないね、少年は……?
だって今の今迄勇んだ様子でいた少年自体……。
そう、籍も自身の脳裏で「(ど、どうしよう? このままだと? 本当にこの化け物女に食われてしまう……)」と。
妖艶、官能的で美しい彼女に対して大変に失礼なことを思い始めだした。
……だけではなくて。籍は自身の身体を震わし、怯えながら思うのだよ。
もうね、彼の顔は、半ベソをかいた顔の様子と顔色をしているのだ。
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