婚約破棄された令嬢はアフィリエイトを始める

ニート

第1話

 「やっぱお前いらねーわ! 婚約破棄だ婚約破棄。」


最初は冗談だと思った。でも違ったのだ、そして本当にそのままことが進んでいった……最初はとても現実を受け入れられるわけがなかった、当たり前だ。今まで当然のように貴族として高い服を身にまといシェフに最高級の料理を毎食用意してもらい、買い物は値段も気にせず好きなだけ好きなものを買い込んでいた。しかしそれらすべてできなくなった。それどころか服はボロボロで替えもほとんどないため何日も着込んでいるため臭いはきつく、食事ももう何日もまともなものを食べていない。

このままではどうしようもない、どうすれば良いのか?

今まで自分でお金を稼ぐなんてことは一度もしたことがなかった私である。体を売る? 気付いたときにはもうこの不潔さである、まず無理だろうな、ではどうしようものか……?


本当に何もない、スキルもコネも……結局前の住人が残していったおんぼろノートパソコンと最低限の家具だけが今の部屋にあっただけだった。

幸いここにはネット環境があるようで暇なときネットサーフィンをして暇をつぶすくらいのことはできるのである。しかし金はない、今後どうすれば良いのか……?

そんなときある広告が目に留まったのである。

「家にいたままパソコンを付けているだけで月収30万円以上確実!!」

なんだこれは? この世界ではそんな簡単に金を稼ぐ手段があるというのだろうか……!?


余裕のないあたくしは考える間もなくそれに応募しようとメールアドレスを登録した。そしてすぐ返信が来てメールには変な動画も添付されていた。

小太りのおっさんが暑そうなところのプールサイドで椅子に座りながらいろいろと話をしていた。背景にはかなりの高さがありそうなマンションなのかホテルなのかよくわからない建物が映っていてどうやらその人物はそこの最上階に住んでいて月収は2000~3000万を超えていると話していた。しかも実働時間はたったの数時間、いや1時間を切ることもあるくらいでほとんど毎日がバカンス状態なのだという……。


なんじゃこりゃぁああ……?

さすがにこれはあかんやつやろ、余裕がなかったとはいえこんなのに一度でも登録してしまった自分が恥ずかしい、まさに電気代の無駄であると実感し死にたくなってきた。しかし月収数千万と言わずともある程度稼げなければこのPCの使用料はおろか食べるものもなくなり文字通り本当に死んでしまいかねないのは純然たる事実であるので他の方法を見つけ出さなければならない。

と言っても実際何をやればネットで本当に稼ぐことができるのだろうか……?


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