「神様」「迷信」「楽園」

疾患が良くないせいか誤字が多い。

――――――――


父が死んだ。


父以外は特に信仰を持っていない普通の日本人だが、父だけは特殊な宗教への信心が深く、葬式でも他の宗教家や信者が集まって、やれ「神様のともに」だ「お父様は熱心な方だったからきっと楽園へ行けるわ」などと口走っていた。




ばかげている。

俺の考えだと、死んだらそこまで。ただ単純に生命体として思考が停止する。それだけだ。

魂なんてものはない。死後は本人にはない。本人にはないのだ。


じゃあ死後は完全にないのか。

ある。

それは死を迎えて、それでも今生きていく人たちの心の中に、ある。

そう、俺の心に父の生き様や信念が残して死んでいくのである。


父は宗教家であった。父の話は全部迷信だと思ってた。今でもそう思う。ばかげている話だ。


それでも。


俺は父の死とともに生きていく。

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