物言わぬ白[秋]

 星と似て

  静かに落ちた

   花弁かな

 降り立つ朝露

  物言わぬ白


 この歌の季語は朝露になります。大体九月くらいに白露があるのでその辺りですね。最後に白があるので。『花弁』は花びらだと春の季語になってしまうので、これは花弁と読んで頂きたいです。花弁ならセーフ、のはず。

 星が落ちる、とは死を意味します。なんでと言われると陰陽道の思想というか東洋(中国)の占星術の思想だったと思います。まあ基本的に偉い人の話ですけどね。星が翳るとか星が墜ちるとか表現します。昔の人は流星群の事をどう思っていたのだろうか…。

 星が落ちる時に静かかどうかは視点の違いだと思います。いや、本来音がしていると思うんですよ。大気と摩擦を起こすので。でも遠いので、聞こえる訳無いんですよね。聞こえるサイズなら(多分)人類と言うか生物はかなり死滅してしまいますから、怖いです。

 という訳で、無音で落ちて頂きました。花弁も軽いので同じく無音となります。よーく聞けば音がしているかもしれませんが、まあほぼ無音という事で一つ。後、白いのは静寂のイメージがありますね。多分、雪のイメージです。

 先に述べた通り、朝露は秋の季語です。時間も朝と限定されていて、イメージを共有しやすいかなと思います。

 全体的に死のイメージが強いですね。はい、いつも通りです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る