第7話

きょうで、ジロともまたしばらくお別れか。


ちょっと田舎に帰るので親戚の家に預かってもらうのだ。


田舎へは長旅なので、30分も車に乗るとよだれをたらし出すジロには ちょっと無理なのだ。


猫は車酔いしないって聞いたんだけどな。


はじめてうちに来た日にも物凄く酔ったんだよな。


あん時はあわてて獣医に電話したりして。


でも、何でそんなに酔うのかね、ジロ。


「べらんめぇ~、ヒック、よってなんかぁいるもんかニャ~、ウィッ。」


ベロンベロンに酔ってるじゃねえか!


「課長のバカヤローッ!」


おまえは夜の新橋で飲んでる新米サラリーマンか!


「ママ、お勘定!」


それは、俺の彼女だ。


「はいはい、三千両だわジロさん。」


おまえもくだらない受け答えをするな!


「ガラガラッ、うーぃ、夜風が気持ちいいニャア。」


いつまでやるんだ。


「そこらで寝て、風邪ひいちゃダメよ。」


・・・おーい。


「ありがとニャ、また来るよ、ママ。」


もしもーし。

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