私の罪
' ニンゲン ' というものは愚かな者にゃ。せっかく一番の賢さを与えてやったというのににゃ。
自称"ナレーター"の ' ネコ ' は語り始めた。
しかし、自分のナレーションが気に入らなかったのか、ネコ型ボイスチェンジャーのレバーを"シリアスモード"まで下げた。
' ネコ ' は仕切り直しとばかりに「おほん」と咳払いをして再び語り始めた。
人間というものは愚かな者だ。せっかく一番の賢さを与えてやったというのに。
今まさに絶滅しようとしているではないか。
この星に残る人間は幾人だろうか。せいぜい数百といったところだろうよ。
お前たちは欲望のまま戦争をし、欲望のまま生命をもてあそんだ。かつては、そんなお前たちを憐れにも思ったものだが。
もうこの滅びは止められようもない......。
ノヴァ、あなたはどう思う。あなたはそれを私の罪と思うだろうか。
***
ドゴリコ王国王都の大通りに咲いた ' 朝顔 ' はツルを伸ばして、落ちていたサツマイモを持ち上げた。
そして彼女は「どっこいしょ、どっこいしょ。」と言いながらサツマイモを運び始めた。
朝顔は短い距離であれば ' 歩く' ことができる。"実験植物"として多用されたため、幸か不幸か、最も改良が進んでいたのである。
彼女は、ああ頑張って王様に届けなきゃと思い一生懸命歩いた。
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