倉石刹那の初日
倉石刹那は、筋金入りのFPSプレイヤーである。
様々なオンラインFPSゲームで上位の結果を残し、プロゲーマーとしての誘いも受けている。
彼女の父はサバイバルゲームのグループに所属しており、彼女がFPSゲームに入れ込んでいるのも、父の影響が強い。また、父に誘われて大人に混じってサバゲーにも参加しており、むしろ彼女はこちらのほうが好みだった。
また、銃自体についても知識と興味を持っており、ガンマニア一歩手前といった状態だ。
その彼女のスタートは、やはり技術の発達した帝国・・・ではなく、サリシア中央国だった。
銃器の種類と総数であれば、帝国に分がある。しかし、冒険者の為に少数ながら中央国にも銃は流通している。それを目当てに、彼女はこの国を選んだのだった。
だが、彼女の目論見は初手から躓くことになった。
ギルドに登録し、冒険者としての身分を得たは良いものの、肝心の銃が高価だったのだ。
小型の拳銃でさえ、二十万ペカ。現在の手持ちの倍である。
仕方なくダガーを購入し、冒険者向けの装飾店で長袖のシャツと綿製で厚手の長ズボンを購入。さらに、スキーヤーが使うのに似たゴーグルも購入した。これは、彼女が好きなサバゲーの服装に近いものだ。
一先ずの装備を整えた後、再びギルド本部へと戻る。パーティメンバーを見繕うためだ。
銃があればソロで動いても良かったが、使い慣れないダガーのみではいささか心許ない。そこで、パーティを組むことに決めたのだった。
セツナは、数ある募集の張り紙とにらめっこを開始した。
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