【嫉妬】
「あ、
「ん、何?
(気づいたら、もう三時間目の休み時間だし……お昼休みまで時間が無いわ! 安藤くんは
「その……」
「サ~ク~ラ! ねぇ、聞いてよ!」
「きゃぁあ! って……モモ!?」
(いきなり抱き着くから誰かと思ったら……なんだ、モモじゃない。今は安藤くんを誘う大事な所なんだから、邪魔しないでよね!)
(誰だっけこの人? モモってあだ名だよな……? 確か──そう、
朝倉さんは黒髪ロングの正統派美少女で人気だけど、桃井さんと言えば何よりも──
その『巨乳』!
ぼっちの俺でも名前を知っているくらい『学校一の巨乳』で桃井さんは有名だし、ポニーテールで背も高くてスタイルもいいから、朝倉さんに次いで男子の人気も高いんだよな)
「さっきの授業さ!
「ハイハイ、面白い面白い。だから、早くどいてくれるかしら?」
「はいはい、どきますよー。そういえば……最近、サクラって安藤くんとよく話してるけどー、二人ってそんなに仲よかったっけ? ねぇ、一体どんな話してるの!」
「ふぇ!? べ、別に……ただの世間話よ! 特に話すような会話でもないわ」
「ふーん……、教えてくれないんだー? なら──」
「「え」」
「安藤くんに、直接聞いちゃうもんねー?」
「「ちょ!」」
(うゎあああああああああああ! いきなり桃井さんが俺に抱き着いてきたぁあああああ! え、何コレ! どういう状況!? 胸が……! 桃井さんの胸が俺の右腕に──もしかして、俺は今日で死ぬのか!?)
(うぎゃぁああああああああああああああああ! わわ、私の
「ねぇねぇ、安藤くん。サクラとはどんな話してるのかなー?」
「え、えっと……」
(な、なんて答えるのが正解だ……!? ラノベの話は言わない方が──いいよな? てか、胸デカ!? って、ちゃうちゃう……
(安藤くん! 私がラノベ好きなのは、安藤くんと私だけの秘密だからね!? だから、絶対に言っちゃダメよ! って……ちょっと、安藤くん? さっきから、視線がモモの胸ばっかりに行ってないかしら!? やっぱり巨乳が好きなのね! ふ……ふふ、フケツよぉー! 安藤くんったら、フケツだわ!)
(ヤバイ……段々と
「と、トイレの話……かな?」
「へ……と、トイレ? アッハハ! 何それー?
「え、そうかな……?」
「ガルルゥウ~……」
(私はちっとも面白くないわよ!)
「アハハハ、安藤くんって、話すと意外と面白いんだねー。うん! 最近、サクラが休み時間によく話してる理由が少し分かったかも。じゃあ、あたしは席に戻るねー♪
安藤くん、またおしゃべりしよう!」
「え、あ、はい……」
(なんか、
「あ! それで、
「ないもん!」
「……え、でも──」
「ないもんもん!」
「い、いや──」
「ないったら、ないもんもんもんっっ!!」
「は、ハイ! すみませんでしたぁーっ!」
(何だ!? ラノベのことは言わなかったのに、何で怒っているんだ……!?)
(フン……安藤くんなんか、知らないんだから!)
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