#027 「交際条件の話」

 80年代の中頃くらいのお話だそうです。


 当時中学2年生だった石見さんは、親友の富樫くんがある日とても苦しそうな様子だったので、どうかしたのかと尋ねてみました。


 すると富樫くん、「実はもう5日もトイレで大の方をしていない」といいます。


「えっ!お前、それ何か病気じゃ」


「いや、違う… クラスいち」の美人のさぁ、不由美によぉ、俺、告白したんだよ」


「は??」


「そしたらな、『じゃ一週間うんこを我慢出来たら付き合ってあげる』って言われたんだよ!!すげぇだろ!!!」


「・・・・・・・・・」


「だから、あと2日なんだ・・・辛いけれど、俺はやるぜ・・・!!」


 ――そんなバカ丸出しの交際条件を提示する女と、こいつはそんなにまでして付き合いたいのか、と。

 石見さんは、自らの親友をとても不憫に思ったそうです。

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