#023 「店長に呆れた話」

 北大路くんが昔勤めていたコンビニには、物凄く面倒くさい店長さんがいました。


 先輩風を吹かしたがる性格まではまだ許せるとして―― ことあるごとにオヤジギャグを連発し、それにリアクションを返さないと不機嫌になってしまう人だったそうです。


 ある日、シフトの時間に北大路くんが店に入ると、店長がいつになくニコニコ顔だったので、「うわ、何かの前振りだ」と 出勤早々、イヤーな気分になりました。


 しかし、二人きりの職場です。彼は社交辞令として「店長、今日はえらくご機嫌ですね」と声をかけました。


「え、わかるぅ? 今日はとっても愉快な気持ちなんだよね。愉快、愉快。ダイヤモンド☆ユカイ。 うぷぷー!!」


 店長はそのダジャレがいたく気に入ったらしく、北大路くんはその日の仕事中、20回以上も「ダイヤモンド☆ユカイ」を聞かされました。



 店を辞める覚悟が決まったといいます。

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