#002 「~ポンの話」

 勝浩さんは、息子の大毅くんに自分の事を『パパ』と呼ばせたいと考えていました。


 一方、妻の美弥さんは、自分の事を友達感覚で『美弥ちゃん』と呼んで欲しいな と思いながら、ふたりで育児に励んでいました。


 結果として、子供と接する時間の長かった美弥さんのことは『美弥ちゃん』と呼んでくれるようになったのですが、勝浩さんのことは美弥さんが使う呼び方を真似して『勝ポン』と言うようになってしまいました。


 矯正しようとしてもなかなか上手く行かず、結局 大毅くんが5歳くらいの頃まで『ポン』付けで呼ばれ続けたそうです。

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