俺の日常にファンタジーが突き刺さってきた その4

■□■□異世界初日■□■□


■コメント規制

・異世界初日 17:30

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【ブログ】には”コメント規制”なる機能があるらしい。ステキ。


善は急げ。

つー訳で、早速「10分毎に1件」しかコメント書けないように設定したった。


これで俺の精神も安泰だぜ!


あともう1点報告な。


巨大掲示板(仮)のブログ(正式名「異世界かよッ!チャンネル」、通称「異ch(いちゃんねる)」)に俺の専用スレがあるらしい。


ちょっと何言ってるか分かんないッスね。

俺の専用スレってどういうことだよ。


訳が分からんかったので、実際に異chを覗いてみたところ


・【楽器召喚】について語るスレ

・もふもふ目撃情報を書き込むスレ

・テイム系スキルの雑談スレ

・JOBについて語り合うスレ

・俺への質問をまとめるスレ


なにコレェェェェ……。

チョーいっぱいあるんですけどェェェェ……。


若干怖い。見た瞬間ドン引いた。

特に「俺への質問をまとめるスレ」とかチョー怖い。


だってこのスレ


”コメント規制が入って、コメントが書き込みにくくなったから

どんなコメントを書くか事前に皆で話し合おう!”


って趣旨のスレなんだが

いくらなんでも反応が早すぎだってばよ。


だって、コメント規制してからまだ1時間も経ってねぇぞ。


つまり1時間以内にスレが建って、人集まって、討論が起きてるわけじゃん?


何なの。その謎の団結力。

ってか、お前らどんだけ暇なんだよ。


暇すぎてやる事ないから、俺のブログを監視でもしてんの?


俺そういうのマジ勘弁なんだけど……。

ネットストーカーとかマジ引くわぁ……。


おかげさまで精神状態は再びの不安定モードだバカヤロー!


やめて。

あんまり俺に注目しないで。




■ウィリアムかわいい

・異世界初日 17:35

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[悩殺写真:ウィリアム俺の手を甘噛み (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアムミルクぺろぺろ (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアムお座りを覚える (かわいい)]

[悩殺写真:仰向けウィリアム (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアム伏せを覚える (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアム大ジャンプ (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアムちょっとオネム (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアム on ひとをダメにするソファ (かわいい)]

[悩殺写真:ウィリアム大分オネム (かわいい)]

[悩殺写真:おやすみウィリアム (かわいい)]


チョーかわいい。


今は何もかも忘れてウィリアムと戯れていたい。

だからコメントとかは明日確認することとする。


ウィリアム、チョーかわいい。


もっふもっふー。




■戦士目覚める

・異世界初日 19:15

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外がボンヤリと薄暗くなる頃

我が家の戦士様が目覚められた。


「ご飯……出前でもいい?」


どうやら寝ぼけてらっしゃるようだ。

言うに事欠いて出前て。


念のため書いとくが絶対来ねぇぞ。

そもそも電話がつながらねぇ。


出前が取れない事が分かると

「じゃあ何か作ろうかしら」とボヤきながら戦士様が立ち上がった。


そこで初めてウィリアムの姿が目に入ったらしい。


しばし見つめ合う一人と一匹。

ややあって、ウィリアムに手を伸ばし「ウーッ」と威嚇される戦士様。


いいぞウィリアム。もっとやれ。遠慮はいらん。

今後もその調子でガンガン拒否ってやれ!


「その犬、飼うの?」

「あぁ、うん。かわいいだろ?」


両手で抱きかかえると尻尾をパタパタ振り始めるウィリアムたんMAXかわいい。


「……えらく懐いてるわね」

「まぁな。俺が全部面倒見るからいいだろ?」


「でも、散歩とかどうすんの?外結構危ないわよ?」

「まだ子犬だし、しばらくは庭で遊ばせるくらいでいいだろ」


「そうねぇ……。

ま、困ったら散歩くらい連れてってあげるから声かけなさい」


だが断る。

何故ならウィリアムたんは俺だけのウィリアムたんなのだから。


これまでもそしてこれからも

末永く一緒に生きて行こうなウィリアム!


ちなみに「悪くなる前に食べてしまいたいから」というセリフと共に、戦士様が作ってくれた晩飯は、解凍したパンケーキと、冷えたゆで卵と、イカの塩漬けだった。


喰い合わせェェェェェ……





■□■□異世界2日目■□■□


■新しい朝が来た

・異世界2日目 6:30

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昨日20時前に寝たせいか、ものスゲェ早起きした。

時計をみるとジャスト6時半。ジジイかよ。


相思相愛のマイペットことウィリアムたんはベッド脇ですやすや熟睡中だ。


くーくーと可愛らしい寝息が、俺の耳まで届いてるんだぜ!


おはようウィリアム。かなり早いが朝だぞ。


勢いよくベッドから身を起こし寝息のする方を振り向くと、

そこそこのサイズの犬が気持ちよさそうに寝ていた。


誰だ貴様は。


いや、スマン。

実は分かってた。


ピンと立った耳。

鋭い視線(予想)

高い鼻筋。

ぶっとい前足に、サラサラの毛並み。


こんなオトコマエな犬……というか見た目的には完全に狼か。


とにかくこんなにイケメンな生物は、

俺のウィリアムたんを置いて他に居る訳がねぇんだよ。


ただサイズだけが俺の想定外だった。


ど、ど、どうしたウィリアム。何ごとだ。せ、成長期か?


いや仮に成長期だとしてもだ。

一晩で手のひらサイズから成犬サイズに成長するとかアリなのか?


もしかしてお前たちってそういう生態なのか?

急にギュィィィンって成長しちゃう系の生き物なのか?


多分、昨日覚醒した【けものつかい】のJOBも影響してるんだろうが、

それにしても予想外だった。


まぁ、想像以上のイケメンに成長してくれたから俺的には嬉しい限りだけどな。


飼い犬は飼い主に似る。


[イケメンウルフ写真:就寝中のウィリアム (カッコイイ)]


飼い犬は飼い主に似るんだよ(念押し)


[イケメンウルフ写真:就寝中のウィリアムその2 (カッコイイ)]


つまりそういうことだぞ?


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