第96話12月4日恋

いつもより一本遅いバスで病院へ

食材の仕込みやつまりがちだった台所排水溝の掃除諸々

今日は14時まで病院滞在の日なので、色々処理

朝がゆっくりだと多少なりと気分が楽

嫁さんでもいれば少しは…とも思う

女をなんだと思ってるんだと怒られそうだけど

実際、家族にはそういう側面があるよね

共同体としての機能

それが俺には圧倒的にかけている

女といえば、恋の最中だった

正確には恋なのかなあという段階で

とても気になる人がいて

毎日がちょっとだけ楽しくなっていた

というと

この件でダメになったみたいな言い方だけどそうではなくて

どちらにしてもうまくいきようはなかったんだよね

ただ、ほわほわとドキドキしたかったなぁと

こうなってしまうと手放しで恋を楽しむのは難しいもんなぁ

けれども

それでも顔を合わせると楽しい

話すとほっとする

好きだわと思うことは

人であれ何であれ

救われるものだね

でも

好きだからこそ

それを奪われる、失う、手を伸ばすことすらできない状況に

嘔吐が止まらなくなるほど苦しめられたりもするよな

それでも何も好きになれないよりマシか

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