第41話それなりに 生活が できるようになったとして 一体いつまで もつのだろうか

11月11日

退院する夢を見た

二人で大きなロビーにいたら 大きな揺れ

地震が起こった

しゃがみ込む俺

うずくまる母

何もできずにいる

周囲の人が 邪魔だと 隣散らす

目が覚めて呆然とする

色々と 思い巡らす

今は必死になってリハビリリハビリと 口にするし 一緒に頑張ろうと している けれども 実際は どうなんだろうか

実際は よしんば 自分で立てるようになったとして 歩けるようになったとして

それなりに 生活が できるようになったとして

一体いつまで もつのだろうか

1年間早ければ半年もすれば 寝たきりになってしまう

そんな気がする

そうなったら いや それ以前にもだ

母が自宅に帰ってきたとして 俺が仕事で家を空けてる間 誰が母を見てくれるんだろう

みんな色々励ましてくれる

私も一人で親の介護をして最後まで見送ったんだと言ってくれる

話は勉強になるしすごく助けてもらえるすごく感謝している

でも 一人と言っても旦那さんがいたり奥さんがいたりする

旦那さんがいる人は彼が働いてくれているから 四六時中介護に頑張れた

奥さんがいる人は働いてる最中 ある程度見てもらえる気にしてもらえるから 働けた

ずっとヘルパーさんだなんだを入れられるほどの経済力がない

誰かに頼むにしても毎日毎日半日半日来てもらうわけにはいかない

暗澹 という言葉か こんなに 重く リアルな質量をもって腹にたまっていく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る