第26話一人になった時には その全てが逆転して しまう

11月8日

母が 待合室から 色々な人に電話した ようで 俺のところにも 電話がくるようになる

一番最初に電話をくれた 手話で 一緒に活動している 方がとても励ましてくれた

とても嬉しく 泣かんばかりに ありがたい

一方これも何度も言ってきたことではあるのだけど 電話を切った後 寝る直前 寝起き そういった生活のリアルの中に いると とてもひねくれた考えに陥って行く

これから一人で 母と 苦しまなくてはいけない その 現実がある

それは ただ母の看病であるとかリハビリの苦しさだとかそういうことではなくて これまで一緒にしてきたことができなくなったこととの チョクメン

そして例えば自動車に乗って色々な所に連れて行ってあげたとしても これまで一緒に行っていた場所に行けばやはりその日々を思い出し 現状と比較してしまい 気持ちが締め付けられてしまう

どちらに転んでもそうなる

楽しくワイワイと過ごそうとしてはいる

病室では 悲壮な話は 極力コンパクトにまとめて 可能な限り 笑える時間を作ろうとしている

だけどその笑える時間を作っているということが現実から目をそらそうとしている ということなんだ

みんなが優しくしてくれたり いろんなアドバイスをくれたり することは 本当に感謝をしている

救われもする

その一方で 一人になった時には その全てが逆転して しまう

わあわあ泣きながら または ぐちぐち愚痴りながらまたはケンケン怒りながら あらゆる事態を乗り越えてきたのは その気持ちをぶつけ合える母がいたからであることは間違いない

人間関係を 二人に収束して 20年30年と 生活をしてきた 結果が このいびつな孤独感

どうしようどうにもならない

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