lyric album「おもいちがい」

瑞野 蒼人

「おもいちがい」

特別だと思っていた日が終わった

日常よりずっと単調な気がした

振り子のように揺れるだけの朝に

少しの揺らめきが起こったはずだった


身を挺して守ったひとつの縁は

喪に伏してそして灰になった

求めていたはずの姿、見つからぬままで

暮れる空に自分を問うのだ


肌に刺す風

体温を下げ名残を疼かせる

いらない荷物はこの夜の縁に投げ棄てよう

昨日の続きの明日が始まる


この夜を踊ろう

煩わしい感情をベッドに置き去りにして

0時まで踊り続けよう

情のあるキスと発泡酒を共に




いつも日向を歩いてきたはずだった

誰も通らぬ道の中央を歩いたり

すべてに愛を込めて語りかけていたかった

それが無理と気づいたのは秋だった


時を告げるリズム

薄情にもこの理性を呼び戻す

釣り合わぬ慕情はいっそ忘れよう

明日の続きは明後日にセーブしよう


この夜を走ろう

蔑んだ相手は過去に遠ざけて

日付の向こうへまで走り抜けよう

あの夏を思い出しながら



飾りなき心に愛が宿るなら

無駄な装飾を捨てて暮らしたい

でも心に飾りがなければ輝きは生まれないから



だから

この夜を踊ろう

煩わしい感情をベッドに置き去りにして

0時まで踊り続けよう

情のあるキスと発泡酒を共に


今夜だけ夢を見よう

慣れないリズムで車道を駆ける

白線をわざと踏み外していこう

この夜空が明けるまで。

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