第70話 結婚!そして、さずかる命。

イタリアに来てから1ヶ月が経った。学校も

私生活も普通に過ごしている昴達。


「昴君、そっちの生活はどう?」

「日本より楽だよ。普通に歩けるしな」


話しているのはマネージャーの安部だ。


「それはよかったわね。こっちはけっこう

大変だったのよ。めぐちゃんが短期間

だけど活動休止を発表して、会社にはマスコミが来るし、ニュースにもなってるからね」

「そうなのか。そんで大丈夫なのか?」

「ま、今は収まってきたからいいけどね。後はあなた達が帰って来るの待つだけだから」

「春になったら帰るさ。もしかしたら

このまま居続けるかもしれないがな」

「そんなに良い場所なの?」

「ああ。ゆっくりできるからな。日本は

なんでも急ぎすぎだ。こっちはゴンドラで

ゆっくり移動できるし、必要最低限いる

物もあるしな」

「本当に残らないでよ?」

「どうかな」


昴はこの街を気にいっていた。学校も

悪くないのでずっと住んでもいいと

考えていた。

夜はめぐみとの夫婦生活で、今までは

昴が料理作っていたが、めぐみも昴に

教えてもらいながら作っている。

そうして2月も過ぎ、3月になった。

卒業式まで後二週間後になった昴達。

学校では昴のクラスが卒業式に昴の

ライブをする計画が考えられていた。

ライブと言うよりピアノの弾き語りに

なる予定で、昴はそれを承諾していた。


それが決まってから昴は部屋でキーボードを

弾く時間を増やした。日本に帰ったら

デビューもあるので一応練習をした。

めぐみにも弾かせたりして、楽しんでいた。

そうして卒業式二日前になった。昴達は

4月に帰るので少しずつ荷物を日本に

送っている。


「もう卒業式だね」

「ああ。環境が変わると時間も早く感じ

るからな」

「そうだね。なんか、このままここで

生活してもいいかなって思うけどね」

「それは俺も同じだが、約束があるからな。とりあえずは日本にいないとな」

「ねぇ昴、結婚しない?」

「それは大人になってからって言っただろ」

「そうなんだけど、その」

「なんだ?」

「えっと、言ってもいい?」

「言わなわからんぞ」

「じゃあ言います。私、妊娠しました」

「は!?」

「私、妊娠しました。ちょっと前に学校で

倒れちゃて、それで病院で検査したら

その、二ヶ月目って言われて。これ、その

検査表」

「・・・まったく、何で言わなかった」

「最初は言おうと思ったけど、まだ自分も

信じてなくてさ。でも、最近お腹が出て

きたから自覚したんだ」

「確かに少し大きくなってるな」

「本当は卒業してから報告しようなかって

考えたけど、早く言ったほうがいいと

思って」

「そうか。ありがとな。ちゃんと話して

くれて。ま、そうなったら仕方ない。俺も

お前も18にはなってるからな。どうする?こっちでするか?それとも」

「昴に任せるわ。これからは決めてもらわ

ないと行けないからね。あなた」

「わかった」


こうして昴はいきなりめぐみから告げられ

た事を受け入れた。そして、卒業式になり

昴は学校で式の最後にピアノを演奏をし

生徒先生達全員を感動させた。

めぐみは逆にライブで式を盛り上げ

こっちでも有名になった。


式が終わり、二人は結婚をした。



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