第7話(裏で繋がり、情報交換)

ゼノは一旦、ログアウトする。ログアウト方法はすぐに分かった。視界の左下にメニューがあり、そこをタップするとログアウト出来た。淳史もログアウトして、ヘッドマウントディスプレイを外す。


「ゼノ、来てたか。チュートリアルやったよな?」

「やってないよ~」

「全く。リンキルってプレーヤーの監視をしないと」

「アッツのポイントはいくつだ?」

「50くらいだけど。まさか、チュートリアルなしで敵をキルしたのか。何ポイントだ?」

「俺は、300万ポイントだよ。レッドチームのエースアタッカーをキルした」

「はぁー!? 色々言いたい事がある」


淳史が言いたいのは、まず、ゼノと淳史が敵チームだという事。これは、途中で変えられない。次に、チュートリアルをしない事によるデメリット。そしてゼノが、セーブザウォーを思いっきりエンジョイしてる事だ。


「俺達の目的は、凜を殺した犯人を捕まえる事だろ?」

「一般人には限界がある」

「ゼノらしくないな」

「俺らしく…………か。アッツは課金した?」

「無課金だよ。チュートリアルをやってれば、ハンドガンとアサルトライフルが1丁ずつ手に入るのに」

「大丈夫。ブルーチームのアイツ…………ハンネ覚えてないや。ベレッタM93Rを貰った。廃車のバスが転がってる所はトラップが沢山あるみたいだよ」

「………………」

「どうした?」

「情報交換しようぜ。ゲームでは敵でも相棒だ。マップは見たか?」

「見てない」

「重課金すると、戦車とか戦闘機とかで戦えるんだけどさ。バスがあるエリアから北東の辺りは、レッドチームの戦闘機がよく空爆してる」

「そこはやベーな。…………情報交換、良いな」

「あくまでも俺達の目的は、リンキルの監視だ」

「だから、一般人には限界があるって」

「警察が使えない以上、俺達で何とかしないと」


ゼノは、凜殺害の犯人の捕獲拷問を組織に任せている。淳史には言えない。

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