第19話
彼は
仕事以外では
自由奔放だ
特に私に対して…
何故か
スケジュールの
合間をぬって来たジムで、
私も一緒に
トレーニングさせられる
「あの…私も外で…」
マネージャーは
外で待っているのに。
「仕事あるの?」
マネージャーは
仕事してるよー
「それは…」
確かに私には
今しなければいけない仕事など
ないけれど…
むしろ
マネージャーの
サポートという意味では
彼のところにいて
お世話をするのが
仕事なのだと思う
でも…
「体力ないんだから、
鍛えた方がいいって」
ベッドから
彼を起こせなかったことを
言っているのか
「それも仕事ですか?」
「それって?」
「起こすために
体力をつけることです。」
私はちょっと怒ってた。
彼のそばにいられることだけを
無条件に喜んで
受け入れるには
わからないことが
いっぱいだった
トレーニングマシンに
苛立ちをぶつける
苛立ちを込めて
トレーニングしながら、
ジムの鏡越しに彼を見ると、
彼と目が合う
何度か
繰り返し視線を
交えたら、
「いつも見てるよね?」
彼がマシンを使う手を止めて
鏡の中の私に向かって言った
私も手を止めて、
彼を見る
鏡の中ではない彼を。
鏡を通さず
交えた視線ー
「なんで?」
な、なんでって…
返事に困る
「俺のこと、好き?ー」
彼の言葉に
一瞬にして耳が赤くなるのを
感じた
運動したせいではない
頬の紅みを見て
彼が笑ったから
恥ずかしさが
余計に増した
「ファ…ファンだから
当たり前じゃないですか!」
ムキになって
叫んでしまった
こんな恥ずかしいの
もう
居たたまれないっ
私は足早に去って
先にジムを出た
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