会話

 外から会話が聞こえた。近所の奥様方の井戸端会議だ。内容はスーパーの品揃えから今年受験生らしい何処かの息子さんへ移行する。本人も家族も大変だよなぁと思いつつ就寝に入ろうとして気付いた。

 一時間足らずで日付も変わろうかという時間帯、外に出て噂話なんてするだろうか。そっとカーテンを捲ると、自宅の塀と向かいの家の塀の隙間に数人の女性が並んでこちらを見上げていた。電気を消す余裕もなく布団を被って気絶同然に意識を手放した。翌日の夕方、母から近所で自殺した学生が居た事を聞いた。関連性の有無は判らない。

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