イスラエル国〜故地へ帰った流浪の民〜(西アジア)

基礎データ

国名 イスラエル国

 面積 2.2万平方キロメートル(日本の四国程度)

 人口 約888万人(2018年)

 首都 エルサレム(ただし国際的には認められておらず、各国大使館はテルアビブにある)

 通貨 新シュケル

 言語 ヘブライ語 アラビア語

 宗教 国民の大半がユダヤ教、18%程度がイスラム教で、残りはキリスト教、ドルーズなど。

各目GDP順位 33位

一人当たりの各目GDP順位 23位

平和度指数ランキング 146位

 

・概略

 西アジアの中東と呼ばれる地域に属し、地中海の東端に位置している。人口、面積共に大国とは言えないが、科学技術大国であり、実戦経験豊富な軍事大国でもある。首都と主張しているエルサレムはユダヤ教の他、キリスト教、イスラム教の聖地でもあり、隣国ヨルダンの申請でエルサレム旧市街が世界文化遺産に登録された。パレスチナ問題で知られており、国内のパレスチナ自治区やテロ組織に手を焼いている。そのため先進国レベルの一人当たりのGDPを誇りながら、平和度指数は極めて低い水準に留まっている。

 

・歴史

 三枚舌外交と名高い英国の外交によって、ユダヤ人とアラブ人の両者が同地域における主権を争っており、対立の火種となっている。

 そのため1948年に独立して以降、48年,56年,67年,73年と周辺アラブ諸国と4度にわたる中東戦争を戦った。兵力的な劣勢や陸上戦力の劣勢を、戦略や航空戦力で覆して勝利を収めてきたことから、軍事国家としての精強さがよく知られている。

 対立するアラブ人のパレスチナ解放機構(PLO)とは,93年9月,相互承認を行い暫定自治原則宣言(オスロ合意)に署名した。その後,暫定合意に従い,ガザではパレスチナ暫定自治政府による自治が実施されている(よく聞くガザ地区とはここ)……のだが、依然激しく対立している。それこそ、ベルリンの壁の如く壁が文字通り立っていたりする。


・経済


 鉱工業が発達しており、特にダイヤモンド研磨加工で有名。またハイテク関連産業も盛んで、高い技術力で知られている。米国の経済状況と非常に密接な関係がある。資源には恵まれていないか、近年は排他的経済水域でガス田の開発が始まった模様。


・軍事

 兵役が存在し、男子32か月、女子24か月が基本。兵力も国家規模と比して多く、正規軍 16.95万人(陸軍12.6万人,海軍9,500人,空軍3.4万人)、予備役 46.5万人(陸軍40万人,海軍1万人,空軍5.5万人)を有する。

 イスラエル空軍の正式名称はイスラエル航空宇宙軍である。アメリカやヨーロッパの新鋭機を多数導入しており、八百を超える敵機撃墜記録がある。

 イスラエル陸軍は三千輌を上回る戦車を有し、常備兵力は十三万人程度と多くはないものの、中東で最も強力と目されている。また、有事には四十万人の部隊増強が可能だ。

 兵器の独自開発も盛んであり、メルカヴァ戦車をはじめ、乗員の生存性を重視した多数の車両や、ガリルARMアサルトライフルなどが有名だ。

 イメージの薄い海軍ではあるが、小型ミサイル艦隊を多数保有し、攻撃力防御力ともに沿岸海軍として十分すぎるものとなっている。電子装備も充実しており、実戦でシリアの対艦ミサイルを無力化させたこともある(その戦いでシリア艦五隻を撃沈)。

 サイバー軍や特殊部隊においても世界最高レベルの実力を有し、常在戦場国家の体を成している。


・その他

 国旗の中心にある六芒星は、ユダヤ人の伝統的なシンボルであるダビデの星。紀元前のイスラエル王ダビデが護符として用いたとのことだが、実際は16世紀以後に使われるようになった。旗は前述のシオニズム運動時代から使われていたものである。


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