4-24その2

 ナツエオロチ討伐成功後、祝賀会までの間に私達は新しく覚えたアーツを試し打ちをすることにしました。私が新しく覚えた魔法は少ないですが、このフラッシュボムはちょっと楽しいですね。パーティーメンバーが光の玉を手にしても爆発しないので、キャッチボールが出来ますし、落とした時は演出が派手になりますから。

 後はソフトウェイブの防御デバフを範囲効果に変更した結果、消費MPが増えました。それではせっかくなので別の魔法も作ってみましょう。

 属性は後で作り変えればいいので土で作るとして、どんな魔法にしましょうかね。


「ハーヅーチー、オリジナルで魔法作れるんだけど、どんなのがいい?」

「また妙なスキルを……」

「魔法陣のアビリティだよ」

「そうか。……オリジナルの魔法か。さっきのボスがやってたみたいに、ランス系の魔法を大量に放つのは出来るのか?」

「あー、やってみる」


 形状を槍にして、行動は直進……、いえ、維持にしてみましょう。これはウォール系が元になっている行動だと思いますが、数を増やせると面白いのですが……おや、増やせますね。何が元になっているのかはわかりませんが、数を増やします。とりあえず10本にしましょう。効果はダメージでいいですね。

 その結果、一定範囲内に地面から槍を大量に生成する魔法が出来ました。これが剣だといいのですが、槍なんですよね。せめて、地面から生えるのではなく、地面に突き刺さっているようには……出来ませんね。残念です。

 威力はランス系のままなので、ランス系10発分のMP消費と思いきや、維持の分もあり、少し多めの消費ですね。普段から4発同時発射しているので、そこまで大変なMP消費ではありません。

 名前は、えーと、【ランスクリエイト・アース】にしましょう。SPをつぎ込んでいろいろと使いやすくは出来ますが、今回も何もせずこのままです。何せ、祝賀会の準備が出来たようですから。

 私達はパーティーを解散し、従魔を召喚してから全員浴衣に着替えて参加します。





 参加費は1,000Gとのことですが、たったそれだけで食べ飲み放題になるとは、主催のアカツキとロイヤルナイツの懐の深さを見せつけたいのでしょう。


「おや、花火があるよ」


 別料金になるそうですが、生産者が作った花火を売っていました。打ち上げ花火から手持ち花火まで、各種取り揃えてあります。花火大会には興味ありませんが、嫌いではありません。


「後で買う?」

「そだね。花より団子だし」


 花火は嫌いではありません。けれど、食べ飲み放題なのでお団子やらおはぎやら練り切りやら、大量の和菓子が優先です。料理をしているお髭のプレイヤーには見覚えがある気もしますが、気の所為ですね。


「君は……、鹿肉の娘だな。あの時はありがとう」


 おや、気の所為ではなかったようです。


「あー、レイドの時の人ですか」

「覚えていてくれていたか。どうだい、あれから新しい食材は手に入れたか?」

「あー、新茶ならナツエドで買えましたよ。もぐもぐ」


 まぁ、NPCが教えてくれましたから、広まっているでしょうけど。


「すまない。新茶について詳しく教えてもらえないだろうか」

「もぐもぐ、街で、もぐもぐ、NPCに、ごっくん、お茶をごちそうになって、聞いたら冒険者ギルドで買えるって教えてくれましたよ。もぐもぐ」

「そうか、ありがとう。これは試作品だが、是非受け取ってくれ」


 新茶の情報の対価として今川焼きを1つ貰いました。


――――――――――――――――

【今川焼き】

 中身はこしあん

 満腹度+5%

 HPを5回復

――――――――――――――――


 ほへ? これって……。


「即時回復系ですか?」

「ああ、そうだ。だが、失敗作だよ。回復量が少なすぎるし、戦闘中に食べるのは難しいだろう」

「あー、もぐもぐ、そうですね。でも、美味しいですね」


 いいものをもらったのですから、すぐに感想を伝えるべきですね。HPが減っていないので5がどのくらいかはわかりませんが、本当に少しなのでしょう。

 私が今川焼きを食べている間にお髭のプレイヤーは近くにいたプレイヤーに合図をしてどこかへ向かわせました。新茶の確認に向かわせたと思われるので、間に合うといいですね。

 全員で動いていても邪魔にしかならないので、六人ずつに分かれて行動することにしました。時雨達は今回のレギオンバトルに参加した知り合いのパーティーやクランへ挨拶をしに行っているのですが、私だけはその相手を誰も知りません。向こうも知らないはずですが、なぜか知られていました。

 まぁ、私はお団子を頬張って挨拶をしていただけですが。

 途中、私が知っている人がいたので、そちらへ挨拶しにいくことにしました。


「シェリスさーん」

「リーゼロッテも来てたんだ」

「はい、そうなんですよ」

「その浴衣似合ってるよ」

「ありがとうございます」


 浴衣を褒めてくれたシェリスさんはいつも通りの格好ですが、巾着を下げています。これは城へ入るために用意したものでしょう。時雨も面識はありますが、他のみんなは直接の面識がないようなので、紹介しておくことにしました。


「シェリスさん、後で大判の交換ラインナップ確認したら連絡していいですか?」

「杖の依頼だね。いいけど、すぐには作れないけど大丈夫?」


 木工に関してはトップの生産者らしいですから、それは人気でしょう。けれど、急ぐ理由はありません。


「他の人の装備を作った後なら、その分スキルレベルが上がるわけですから、先に作ってもらわなければいけない理由はありませんよ」

「そう。それはよかった。前に上質な魔木なら5本って言ったけど、10本あると性能あげられそうなんだけど、どうする?」


 な、なんと……。今の手持ちは5本なので、クリプトメランコリーに挑む必要がありますね。あ、いえ、大判次第では交換できますよ。


「何とかします」


 まだ確認していませんが、杖の素材に必要な大判の枚数次第では十分に手に入りますね。

 この後はみんなもシェリスさんと挨拶を交わしましたが、グリモアとリッカはいつも頼んでいる人がいるとかで、その人に頼むと言っていました。特にグリモアは独自の世界観に基いた装備をしているので、相手がトップ生産者だからといって乗り換える気はないようです。

 挨拶回りも終え、別料金の花火に手を出しました。モニカを先頭に手持ち花火でわいわいやっていますが、グリモアはねずみ花火を買い込んで何かをしています。よくわかりませんが、独自の世界観に基いた何かなのでしょう。

 ちなみに、私はヤタと信楽と共に線香花火を眺めています。


「浴衣で線香花火か。様になってるな」

「それはどうも」


 そう言って近付いてきたのはザインさんでした。他のプレイヤーとの挨拶で忙しいと思うのですが、案外暇なのでしょうか。私はヤタと信楽を愛でるのに忙しいと言うのに。


「リーゼロッテ、君がグラートと話をつけてくれたことと、サポートランキングで2位になったことのお礼を言っておこうと思ってな」

「ザインさんにお礼を言われるようなことではありませんよ」


 あれは私を狙ってきたからしたことですし、2位になったのも偶然です。


「君にとってはそうかもしれない。けれど、グラートがレギオンに参加したことで他のPKも続いたし、ロイヤルナイツによるランキングの独占を防いだ。しかも、それを行ったのは、俺達の派閥だと思われている君だ。それは俺にとってお礼を言うべきことなんだよ」


 ザインさんがそう言っても、私が私のためにやったことです。まぁ、私に火の粉が降りかからなければ、私がやったことをどう扱おうとザインさんの自由です。

 ですが。


「フィーネさんにダブルスコアを付けられてもですか?」

「ポイントの問題じゃないからな」

「そうですか。それなら、何かあった時にはお願いしますね」


 私とザインさんの関係はこうですから。


「ああ、任せてくれ。ただ、一つだけ君に情報を提供したい。確定ではないが、召喚獣についてだ」


 召喚獣、その単語を聞いた瞬間、私は線香花火へと向けていた視線をザインさんへと向けました。その結果、線香花火が落ちてしまいましたが、それは些細なことです。


「君は自分に正直だな」


 その後に続けられた情報によると、エスカンデの北東にある湖をそこにあるセイフティゾーンから東周りで北上する最中に召喚獣らしきMOBと遭遇したらしいです。あの辺りにはオーガが出現するのですが、湖近辺は出現率が低いらしく、水棲のMOBに注意しながら移動する方が、いいそうです。


「遭遇したパーティーの話によると、ある一人のプレイヤーがいる時にしか遭遇しなかったらしい。彼女は数少ない召喚スキル持ちでな、恐らく召喚獣だろうと言われている」


 召喚スキルの前提である調教スキルのスキルレベルは従魔のなつき度と連動しています。その合計値が100%になればLV30になるので複数の従魔がいないとカンストさせるのは大変です。召喚スキルをいきなり取る方法も見つかっているらしいのですが、取得するためのSPが増えたりとデメリットもあるそうです。


「そのMOBは何もしなければ襲ってこないんだが、戦闘行動を見せた瞬間に攻撃してくるんだ。しかも、壁役のプレイヤーが一撃でやられたらしい。彼女は一人でも遭遇したらしいから、いろいろ試した結果、防御力と移動速度だけは上げても問題なかったらしい」


 他にも、召喚スキル所持者が金属がメインの装備を持っているだけで襲ってくるという厄介な特殊アクティブのようで、倒す前にちゃんと戦うことすら出来ていないそうです。私が普段腰に隠してる短刀もダメですね。


「彼女は伝承からして自分一人なら大丈夫だと言い張っていたらしいが、失敗続きで、他を頼ることにしたそうだ。だから、リーゼロッテ、君がもし条件を達成出来たら、その情報を買い取らせてくれ」


 情報を提供してくれるという話でしたが、いつの間にか私が情報を提供する話になっていました。まぁ、買い取ると明言しているので上手く行ったら話してあげましょう。


「それで、もったいぶってますけど、何てMOBですか?」

「ユニコーンだ」

「ほう。ユニコーンですか。……あ、……ごほん、げふんげふん。ザインさん、情報、ありがとうございます」


 私は何も気付いていません。なので、ここでは心からの笑みでお礼を言うべきですね。


「い、いや、いいんだ。これはお礼も兼ねているからな」


 ユニコーンの出現場所へ行くのは大変だと思いますが、楽しみですね。あ、ヤタと信楽、これは浮気ではありませんよ。ここは愛でて浮気ではないということを証明しておかなければ。


「リーゼロッテ、もう少しいいか?」


 おや、まだいたんですね。いいかと聞いておきながらも何か言いにくそうにしています。とりあえず、話を聞かなければ判断が出来ないので、促しましょうかね。


「どうぞ」

「あー、えーとな。蘇生薬の件なんだが、リーゼロッテもあれの作成に関わっているのか?」

「関わっているかと聞かれれば、関わってはいますけど、私じゃ作れませんよ。素材を一つ納品しているだけなので」


 さらに言えば、他の素材も知りません。なので、私から聞いて出てくるのは素材が取れる場所だけです。……作れるプレイヤーも一人知ってますね。


「そ、そうか。ちなみに、その素材を俺達にも納品してもらうことは出来るか?」


 おっと、素材の横流しですか。まぁ、時雨に横流ししているので、今更ですね。


「生産クランに問い合わせてください。そっちを経由してでいいなら構いませんよ」

「そうか、確認しておく。ちなみに、どの程度納品出来るんだ?」

「んー、生産クランに納品してるのと同じくらいですかね。樽さえ用意すればもっといけますけど。まぁ、使いたいだけ要求してください」


 きちんと対価を払ってくれるのであれば拒む理由はありません。


「あれだけ納品してるんですけど、足りないんですかね」

「みょ……、うちの同盟クランにも供給は来ているが、他にも使い道を調べたいらしくてな」

「そうですか。まぁ、生産クランと交渉してください」


 正直なところ、同じものを別々の場所に納品するのが面倒なんですよね。どうせなら一度で済ませたいですし。


「わかった。ありがとう」


 そう言ってザインさんは去っていきました。

 祝賀会も一段落したので、私達は一度集まり今度こそ大判との交換ラインナップの確認をすることにしました。イベントの延長もあり、明日もクエストを受けることは出来ますが、探すのが面倒なので反復クエストに納品してしまいましょう。せっかく見つけたものですし。

 メニューを操作し納品することで、イベント素材が一気に減り、大判が合計で428枚になりました。最後のランキングで一気に増えましたが、イベント外のことをしていたこともあったので、時雨達と比べると少し多いくらいですね。

 えーと、素材各種やスキルレベル上昇券はまだありますし、特殊素材や生産の設備や道具に通常フィールドの詳細な地図なんかもありますね。後は、装備切り替え課金枠と補助装備課金枠が1個ずつあります。始めは大判100枚なんてと思いましたが、案外集まるものでしたね。


「工房各種ね。そういえば錬金工房作ってないけど、必要?」

「スキルレベルはまだまだ中級にならないよ」

「それじゃあ、今回も取らないの? 私かハヅチが取ってもいいけど」

「取るときは自分で取るよ」


 下級スキルは大判5枚で1レベル上げることが出来るので、それで上げてしまうという方法もありますが、それは余ったらですね。

 ところでこの特殊素材とはなんでしょうか。見た限り、木材や布といった一般的な素材とは違うようですが。

 えーと、なんたらの爪とか、牙とか、そういった物のようです。その中でも一番目を引くのが姫巫女の力シリーズですね。八種類の素材があるのですが、対応属性に特化した装備を作ることが出来るようです。杖にも使えそうですが、流石に八本を持ち替えるのは面倒ですね。

 その次は開放不可となっているのですが、時雨曰く、【先代姫巫女の祈り】という素材で、姫巫女の力の上位素材のようです。これはその姫巫女の陣営に所属して、先代姫巫女にあったことがないと選べないそうです。……先代姫巫女、会ってみたかったです。

 その次は【姫巫女達の願い】という素材ですね。これは私でも選べますね。条件としては、守り人の里所属で、全ての姫巫女と交流があることです。私達はクランの全員が同じ陣営なので、全員が選べます。

 確か、貢献度の共有がどうのこうのと言われた気がするので、それが関係しているのでしょう。

 素材としての能力は、とにかく凄いようです。姫巫女全員分の願いなので、特定属性に偏りませんし、これが大判100枚で取れるのなら安いくらいですよ。

 他には、忍者装備一式など、見た目だけの装備も多々ありますね。このゲーム、装備の状態で入手できるものって少ないですよね。あったとしても、持ち物装備か、性能の低い物くらいですし。


「それってここの開発の方針らしいよ。プレイヤー同士の交流を促すとかなんとかって」

「へー」


 私が知っているゲームでは一本しか存在しない武器とか、確率的に一人しか持っていない武器とか、そういう最上位の武器が存在していましたが、このゲームではあくまでも凄い武器を作るための素材を入手できるだけのようですね。

 杖を作るための素材をどれにするか考えていましたが、やはりこの姫巫女達の願いがいいですね。

 姫巫女達の願いを入手し、シェリスさんに連絡をいれました。ちなみに、イベントフィールドで手に入れた素材をハヅチと時雨に渡していたため、その代金として上質な魔木を5本入手したので、大判を使う必要がなくなりました。二人には感謝しかないですね。

 残念ながら修理依頼と違って作成依頼は直接会わないとできないので、後で素材を渡しに行くことになりました。


「後はどうしよっかなー」

「リーゼロッテ、防具はどうするんだ? 確か、帽子と普通の外套の素材は綿だろ。上質か頑丈で作り直してもいいんだぞ」


 頑丈な皮は大判10枚ですか。エスカンデの東にいる狼のドロップは上質な皮が確認されているので、頑丈な皮はまだ見つかっていません。色は性能に関係ないことがわかっていますし、裁縫スキルに材質や色を変えるアーツがあるそうです。素材そのままの質感にすることも出来るそうですが、それをするプレイヤーはほとんどいないそうです。


「頑丈系で作ったら、ステータス補正の項目増えるのかな?」

「あー、上質だとMP回復量が増えてたけど、頑丈は数値だけのはずだ」

「じゃあ、わざわざ交換してまで作らなくていいかな」

「そうか。ま、フィールドで見つかったら集めとけよ」


 さて、このままでは工房と課金枠2つを交換しかねませんね。スキルレベルでもいいのですが……。魔法書と剣と銃くらいなら使ってもいい気がしてきました。剣と銃は基本スキルなので、1レベルにつき大判1枚ですし。他の魔法スキルはもうすぐカンストですが、そもそもよく使うのでここで上昇券を使うまでもありません。


「よーし、課金枠と錬金の中級工房取るぞー」

「ちょっ、そこ取るの?」

「だって、素材は自分で集めるし、武器に必要なのは揃ってるし、地図は自分で見に行くし、他の特殊素材はいらないし」


 そもそもこの課金枠を取らせるために多めに大判を配っていたのではないかと邪推しています。本来は課金で手に入れることが出来るものですが、これを切っ掛けに現実の財布の紐が緩む人がほんの少しでもいれば儲けものです。注意書きで課金枠の無料入手はやっても一つに付き一回まで書いてあるので、次を期待しても無駄でしょうし。

 ここで迷っていてもしかたないので、大判250枚を使い、課金枠2つと錬金の中級工房を取得しました。これで残りは78枚です。


「後は、スキルレベルかな」

「ちなみに、生産やってる人は素材とか取ってるけどいいの?」

「私生産メインじゃないし」


 えーと剣が後5で銃が後29、魔法書は1上げるとして、必要な大判は39枚ですね。


 ピコン!

 ――――System Message・所持スキルがLVMAXになりました――――

 【剣】がLV30MAXになったため、上位スキルが開放されました。

 【片手剣】 SP3

 【両手剣】 SP3


 【銃】がLV30MAXになったため、上位スキルが開放されました。

 【短銃】 SP3

 【小銃】 SP3


 【銃】【火魔法】がLV30MAXになったため、関連スキルが開放されました。

 【魔銃】 SP3


 これらのスキルが取得出来ます。

 ――――――――――――――――――――――――――――――


 ふっふっふ、やはりありましたね。関連スキルとなっているので、火魔法のところは魔法なら何でもよかったのでしょう。まぁ、そのスキルを使うための武器がありませんが、持っていることに意味があるんですよ。

 スキルの説明を見てみると、短銃や小銃と魔銃は全く別物になっているようで、魔銃を使っていると短銃や小銃のスキルの補正効果は受けられないそうです。アーツはものによっては使えるそうですが、そのために実弾銃のスキルレベルを上げる気にはならないので、取得する必要もないですね。

 それでは片手剣と魔銃を取得しましょう。

 片手剣のLV1で覚えたアーツは【ハイスラッシュ】です。要するに、威力の高いスラッシュです。

 銃もクイックドローとか、急所狙いとか、連射とか接射とか、跳弾とか覚えましたけど、今は使えないので放置です。

 魔銃はカートリッジ作成というスキルでした。これは銃スキルでいう弾丸を作るためのアーツですね。これは今作ることは出来ますが、使えないので置いておきましょう。

 次に、魔法書LV10で覚えたのは【チャージ】というもので、魔法書にMPを供給するためのスキルです。使っていないので知りませんでしたが、このアーツを覚えるまでスペルページはほぼ使い捨てだったようです。後、おまけでスペルページを各属性2枚まで持てるようになりました。グリモアに確認すると、もうページを作ってもスキルレベルは上がらないので、スペルページを使ってMOBと戦う必要があるそうです。

 さて、残りは39枚です。次は……、耐性スキルと気功操作、どちらにしましょうかね。気功操作は使えばいいのですが、耐性スキルに関しては、今の所自分で何かしらの毒を入手するか、シルクガにやられるしかありません。そう考えると、耐性スキルを一つ上げておきましょう。

 そんなわけで沈黙耐性をLV30MAXにしました。やはり純粋な後衛の魔法使いなので、沈黙の耐性を低いままにしておくことは出来ません。

 すると、魔眼の沈黙眼というアーツを覚えました。やはり、耐性スキルと魔眼は関係があるんですね。そして、後は残る大判は10枚です。悩んでもしかたないので、あまり使わない気功操作に全部つぎ込んでしまいましょう。これで大判が綺麗になくなりました。


「よーし、使い切ったぞー」


 みんなはまだにらめっこしていますね。何だかんだで欲しい物を取っても余るようで、何のスキルを上げるのか悩んでいるそうです。場合によってはスキルの新規取得を考えているとか。

 というか、時雨が見た目に合わせるために弓スキルを取って大判30枚をつぎ込んだそうです。まぁ、巫女なら破魔矢とか使いそうですし。あの燃えるような赤い髪を弓に巻き付けて射るんですかね。

 この後、使い切った順にナツエドへと戻りお祭りを夜通し巡りました。最後はうつらうつらしながら歩いていたので、システムの方から警告が出てしまいましたよ。

 まぁ、そろそろログアウトしましょうか。

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