第15話 冒険者ギルド

 ユウヤとレティシアは村から少し歩き村の門が見えなくなって少しすると、足を止めた。


「レティシア、地図で今の場所確認できる?」

「ええ、出来るわよ」


 レティシアは地図を異空間収納から取り出し、ユウヤに見せながら現在の場所を方角を確認し始めた。


「今ここってことは、まっすぐ無効に進めば冒険者ギルドのある町に着くんだね」

「ええ、森を抜ける必要があるから大剣出そうか?」

「ああ、頼む」

「それじゃあ、予定通りに今日の夕方前に着けるように走るわよ」

「おう」


 レティシアに大剣を出してもらい、ユウヤは大剣を持って走る準備をした。


「レティシア、準備はいいか?」

「大丈夫よ。けど、あんまりとばし過ぎないでね」

「分かってる。じゃあ、行くぞ」


 ユウヤの声を出すと同時に走り出し、レティシアもユウヤの大剣の間合いに入らないように後について走り出した。

 ユウヤとレティシアが道から外れて、森の中を走っていくと途中で離れたところに魔物や動物の姿が見えたが、すべて無視して走って通り過ぎた。

 しばらく走ると、目の前に猪の魔物が進行方向を塞ぐように立ち、こちらに突進してこようとしていた。


「俺がやる」

「分かった」


 レティシアに言い返事を聞くと、大剣を振り下ろして魔物を真っ二つに叩き斬った。

 魔物を斬り終わると、大剣を持ち上げてまた走り出した。

 レティシアも魔物がいなかったように止まらずに走って魔物の死体の横を通り抜けた。


「ユウヤ、少し先の木の陰にゴブリンが数匹隠れているわ」

「任せる」

「分かった」


 レティシアに言われて進行方向の少し先を見ると、木の影から少し顔を出して弓矢を構えているゴブリンが見えた。

 レティシアは無詠唱で氷の槍を数本生成して、木の陰に隠れているゴブリンに向かって撃ち出し、ゴブリンを貫いた。

 先ほどと同じように、ユウヤとレティシアはゴブリンの死体を無視してまっすぐに走って森を抜けた。

 森を抜けると、そこそこの高さがある塀に囲まれた町の出入り口である門とそれに繋がっている舗装された道が見えた。


「着いたみたいだな」

「ええ、日の位置からしてまだ昼過ぎね」

「じゃあ、宿を取ってから、冒険者ギルドに行くか」

「そうね」


 ユウヤはレティシアに大剣を異空間収納に入れてもらい、二人は町の中に入った。

 町の門で門番をしていた兵士に、おすすめの宿とその場所を教えてもらい歩いて移動した。

 宿に着くと二人は中に入り、受付カウンターに立っている女性に話しかけた。


「二人部屋って開いていますか?」

「空いてますよ。ダブルベッドの部屋とシングルベッド二つの部屋がありますが、どちらにしますか?」

「シングル二つで」

「食事はどうしますか?」

「朝食だけ、お願いします」


 受付の女性とレティシアが話、十日分のお金を払い部屋に案内されて鍵を渡された。

 二人は置いておける荷物を部屋に置き、鍵を閉めて宿を出た。

 宿を出るときに、受付の女性に冒険者ギルドの場所を聞き歩いて移動した。

 二人は周りの建物より明らかに大きい建物の前に着き、看板に冒険者ギルドとかいてあることを確認して中に入った。

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