どうも、精霊です。

小林秀観

日記一冊目

――堕ち物キングを追っていた頃――

タイミングの悪い転生者

 どうも、精霊です。

 まずね、魔物だからってみんな悪い奴じゃないんだよ。

 ただ魔物って種族なだけ。だからそんなに張り切って倒さなくたっていいんじゃない?

 堕ち物って奴らがいるけど、あれは闇に堕ちて病んじゃった奴らだからね。もうジャンジャン倒しちゃってくれていいんだけどね。

 放っておくと今回みたいに堕ち物キングとか出て来ちゃうからね。

 でも俺ってそれなりに強い精霊だからさ。

 火の精霊も敬ってくれるし、龍にだって認められたんだよ。

 水の最上位の精霊なんだよ。

 だからね? 俺が堕ち物キングをズバッと倒してさぁ、ちやほやしてもらいたいなぁって思ってたんだ。

 それなのに転生者とか……空気読んでよ!

 もうそこの森あげるから! 好きに使っていいから。

 のんびり暮らしててよ。頼むからさぁ。

 なに、そのコボルト。ペットにするの?

 いいよ、いいよ。好きにしちゃってよ。

 あぁ、でもなんかいいなぁ。ペット。

 ……そうだ、精霊獣をつくろう。

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