捨てないで

私のように

魅力のない人間なんて

かまうだけ無駄で、

それは事実なんだから、

受け入れなきゃならないのにね


でも、なんで私に近づいたの?

もっと素敵な人間にちがいないなんて思いこんじゃったの?

やめてよ、そういうの。

それで、期待に沿えなかったから、捨てたの?


捨てるくらいならはじめから拾わないでよ。

拾ってもらったのなら仲良くしていいのかなって勘違いしちゃうでしょ?


いつだってそうだった。

気付いたら輪から弾かれててさ。

そんなにつまらない人間なんだね。私ってさ。


だから必死におどけるんだよね。

捨てないでと懇願する踊りを踊るんだよ。

きつい靴をはいてさ。

炎の輪を火傷しながら潜るんだよ。


…ばかみたい、道化師なんて……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る