傷と包帯、錠剤と水、日記帳と乾いた跡

山居 藍

治らない傷

体から、壊れていく音がする。

もし直らない致命的なエラーがあったら、崖から投げ捨てよう。

いつでも綱渡りの人生。


「傷って、治らないんだよ。完全には」

そう、彼女が言ってた。

本当だね。

どうでも良い傷は治るけど、なにかしらあった傷ってのは治らないね。


それは、身体も、心も、おんなじだ。

だから私のこれは一生治らない。


あの日放り投げたものはまだ庭に転がったまま。

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