ロボット彼女
タキテル
序章
「初めまして。私は高性能人間型恋愛ロボットのF‐九〇八です。この度、お買い上げ頂き誠にありがとうございます。本日からあなたの忠実な彼女として全面サポートしますので以後、よろしくお願い致します。まず始めにあなたのお名前を教えて下さい」
目の前に女性の形をしたロボットは言った。ロボットというには余りにも惜しいくらい本物の女性そのものである。身体の大きさは成人女性の平均ほど。頭の先からつま先まで忠実に再現されている。むしろ本物よりもスタイルが良かった。胸の膨らみや足のラインなんかもモデル並みだ。まるでアニメの世界からそのまま現実に出てきてしまったかのようにそのロボットは完璧なスタイルを施している。初期状態は黒髪に童顔であるが、後から自分好みに変更は可能だ。
高性能人間型恋愛ロボットとの対面に僕は遂に夢が叶った感覚であった。この日をどれほど待ち望んでいたか、知る由もないだろう。なんていったって、僕はこの日の為に一生分の貯金をはたいて念願のロボットを購入したのだから。だが、このロボットとの出会いによって僕は人間として大きく考えさせられることになり、同時に自分自身が成長するきっかけになるのだ。出会いとは始まりでもあり、別れでもある。
これは人間とロボットの恋愛を描いた話である。
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