第18話 執筆
原稿用紙は光っていた。スタンドライトだけが灯る部屋で、彼は長い間、鉛筆をぶらぶら揺らしていた。まだ一文字も書けなかった。原稿用紙はダイヤモンドのように輝きながら、新しい文字が書かれるのを待っていた。彼の胸には、澄んだ風景と静かな物語が流れていた。鉛筆の先は、少しずつ煌めき始めた。
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