第3話 山車

山車は赤い光を放ちながら、夜の通りを抜けていった。荒波のような人混みに揉まれながら、私はその光かがやく後ろ姿を見送った。大きな山車は、何も語らなかった。引き手や乗り手の人々が、血潮を燃やして声を上げていた。遠くなっていくざわめきを、私はいつまでも見つめていた。

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