背中を押す









待ち伏せしてたら警察に捕まりかけた。


方々に逃げて最早ここが何処か解らん。


帰るか…。








そう思っていた所で泣く少女に出会った。


理彩じゃないな、長髪裸眼だ。




が。




「どうした?迷子か?」


泣いてる奴放っておく程俺は野暮じゃない。


「友達と喧嘩したの。ぜっこしたの。」


子どもなのによく知ってるな。絶好なんて言葉。


「じゃあ何故泣く?」


「ぜっこ、ヤなの。」


「仲直りしたいのか?」


(コク)


「じゃ、謝りに行け。


この手の喧嘩は早目に謝るに限る。」


「でも…」


「付き合ってやるから。行くぞ。」


少女の背を押した。


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