スタイリッシュ小指ミルク 黒銘菓短編集54弾

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

ラテアート

「ラテアートお願い!」

「こっちも!」

カフェ『ナロラジ』は繁盛していた。



腕の良いマスター絋

名物ウェイター巽



二人のカフェは他にはないと繁盛していた。


というのも…


「巽、お願ーい。」

「はい、絋さん。」



ラテアートを頼んだ客はコップを斜めにして、数m離れた巽に向ける。

コップにはまだコーヒーが残っている。のに。




「とうっ!」

巽が掛け声と共に小指をカップにむける…すると…



カポカポカポカポカポカポカポ



小指から白い何かが放物線を描いてカップに注がれていった。


パチパチパチパチパチパチ


お客さんから拍手が上がる。

コップには木の葉と猫の顔が描かれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る