第5話 ミイラ寝
君はさ、冬に寝るときに、肌に触れる布団、何を使ってる?
そう。掛布団の中の一番下の奴だよ。
ああ、やっぱり毛布か。そう…あったかくて気持ちいいんだろうね。まあ、あったかいのわかるけどね。そういうの、女の子に多いよね。あ、俺が聞いた範囲の中でね。
君が逆に聞いてくれないから自分で言うけど、俺はさ、夏でも冬でもタオルケットなわけ。
そう、冬でもなの。
ああ、まあ、冬に布団に入ったときには、たしかに、ひんやりとはするね。でも、それがさ、両足をこすり合わせていくうちに、いい感じの温度になるわけよ。まあ、それは、大した問題じゃないわけ。問題はさ、肌に触れている部分が、パイル地じゃないと落ち着かない、という赤ん坊体質だよね。笑えるでしょ?だって、シーツもパイル地だもの。パイル地にサンドイッチされると安眠できるわけ。
でね、冬は、タオルケットの上に毛布、その上に布団で寝てるんだけど、やっぱり、寝入り端までは寒さを感じるから、ここで、俺はさらにシフトをしくわけ。
え?なんだかわからないって?まあ、そうだろうね。さっきの掛布団をさっきの順番で掛けた後に、仰向けになった状態で左右に体全体を揺するの。そうすると、体の左右の布団が俺の肩で押さえつけられて、布団と体の空間が無くなるわけ。
そう、まさしく寝袋状態ね。俺はミイラ寝って呼んでるけど。でも、これが、冬の最強の安眠メソッドなのよ。
え?二人ではできないって?まあ、そうだけど、二人で寝るなら、二人の体温ですでにあったかいからしなくてもいいじゃん。
ね?って返事ないのかい!
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