こどものみち
こんなときあの子がいたら、気晴らしに一緒にでかけたのかしら。
生ぬるい風を頬に受け、
前へ前へと進む君を抑えながら、
なんでもない話題で笑い転げながら、
あの土手へ、
…叶わぬ夢。
だってあの子はもういない。
追いかけられるものなら追いかけたかった。
あの日帰ってこなかったことを怒ったりなんかしないから、
ねえ、
戻っておいでよ。
ねえ、行こうよ、
あの道を、
あっちこっち、
また下手なおにぎりを作ってさあ、
暖かい道を、
ねえ、
お願いだよ。
どうして戻れないの。どうして叶わないの。
大人になりたくなかったよ。
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