星もない夜空、灯りもない夜道

山居 藍

春は、春は、嫌いです。


桜舞い散る道を、私に背を向けて、大事な人が去ってゆく季節。


がらりと変わるすべてのもの。

ああ、あの甘い香りが漂うとき、私には悪寒と頭痛が起きる。

やめてくれと体が叫ぶ。


青空でも、私は染まれません。

一人くすんだ色のまま。大事なもの無くして抜け殻なのです。


次の春は、また私から何か奪っていくのですか。

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