第3話 おばぁちゃんに寄り添って——

 私がそばを通り過ぎようとすると「座って。テレビ観て」と言うおばぁちゃんがいた。


 おばぁちゃんは車椅子、手も少し不自由だ。


 そのうちに、私はおばぁちゃんの車椅子を押したり、食事の席でおばぁちゃんのお手伝いをしたりするようになった。


 一方で、私はボールペンを手に入れて子どもたちに手紙を書いたり、スマートフォンが解禁になって投稿をしたりするようになっていった。


  おばぁちゃんの隣にいる時間は、以前より少なくなっていた。


 するとおばぁちゃんが「あんたがいなくて淋しかったさ」とぽつりと言った。


(おばぁちゃんごめんなさい!)


  子どもたちやスマホも気にはなるが、できるだけおばぁちゃんのそばにいてあげよう。


 おばぁちゃんはもうすぐ、老人ホームへ移るそうだ。


 おばぁちゃんいつまでもお元気で……。


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