ビッグフットの悲しみ

もう2ヶ月くらい、柴犬キリの散歩を朝晩と寝る前に続けている。

朝晩の2回は50分ずつくらい、寝る前は軽く15分くらい、3回で合計2時間近い。

なぜやるかというと、妻が具合が悪くなってしまって、それまで1日1回は妻がやっていた散歩ができなくなってしまったからだ。


1日2時間、犬に合わせて大股の早足で歩くのは結構楽なことじゃない。特に私なぞ歩く習慣がなかったから、最初は特にキツかった。

そして2ヶ月の間に、ずいぶん鍛えられたと思う。


ところが、である。

ある時から、左足のつま先が痛くて困るようになった。

ジーパンを履いているので、靴は革靴ともいかず、古いスニーカーを履いていた。そのスニーカーの左の足の先が痛くて、どうも具合が悪い。きつい感じがする。爪が痛む。


仕方なく、新しいスニーカーを買いに行った。

靴はやっぱり履いてみないと、ア○ゾンなどには頼れない。


いくつかめぼしいスニーカーの中からひとつ選び、履いてみた。

「右でよろしいですか?」

と店員が右のスニーカーを差し出したので、

『いや、左をお願いします』

と言うのも何だかめんどくさいし悪いし、だいたい右が良ければ左も大丈夫だろうと考え、素直に右を履いてみた。

具合がいい!

私はすぐにそれに決めた。

支払いを済ませ、意気揚々と家に持ち帰った。

ところがところが。

家で履いてみると、何だか左のつま先が具合が良くないのである。

痛い気もする。

こりゃ爪のせいではないのか?


私は少しがっかりしながら左足の爪を切った。爪を切れば済むのなら、わざわざ買いに行かなくとも、古い方で充分だったからだ。


少しがっかりしながら爪を切った左足を新しいスニーカーに突っ込んでみた。

ところが、である。

なんとあまり変化がないのだ。

足先がきつい。痛む。


結論 私の左足は右足より大きい。


だから、左足のために同じスニーカーで、もうひと回り大きいのを買ってくるしかないが、残念なことに、私の足は28センチと大きく、もうそれ以上大きいのは売っていない。


どうすりゃええんじゃ?


困った問題である。

柴犬キリの夕方の散歩の時刻が迫ってくる。

また痛い思いをしながら歩くのか?

がっかりなのであった。

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