神がつれていくもの

15の時に同級生が死んだ。


初めて、同じ歳の人の死を聞いた。

特に親しくはない人だった。

だけどそれなりにショックだった。


事故だった。

もう遠い日になったあの告別式。

場違いではないかと身を小さくした、あの夏のはじまりの日。

遠くへ来てしまった。


事故は彼自ら起こしたもの。

私よりたくさんの人に慕われていたくせに、なんて馬鹿なことをしたんだろう。


たとえばあれが私だったら、一体何人が駆けつけてくれたんだろうか。


神は、どうでもいい人間は捨て置くのかもしれない。

良い人ほど、慕われる人ほど、連れていくのかもしれない。


なんてね、いじけた考え。分かってるんだ。

どんな人間にも関係なく不幸は適当に降り注いでいるだけだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る