第327話 さまよえる旅猫と無口猫

 さて、近所に前からいた白にゃんことはご挨拶をする仲だったスコちゃんが、今日網戸の外にいた別にゃんこに脅しをかけていました。

 フーッとか、にゃーというわけではなく、とびかかっていく勢いでがばっといき、網戸にはね返されてました。

 でも、たいして興奮しているようでもなく、じゃれてるのかな? という感じでした。


 スコちゃんね、最近気づいたのだけど階段の下で黙ってわたくしが降りてくるのを見上げて待ってることがあります。

 それからね、部屋の外にいるとき、閉まったドアの前でじーっとうずくまって開くのを待ってることもある。

 気が付いたとき、きゃーって思ったけど、もっと自己主張していいんだよ? たまたま具合が悪い時が続いて、鳴き声を無視することがあったかもしれないけれど、わたくしのことが必要なら呼んでもいいんだよ? って、心で泣きました。


 最初から無口な彼女ではありましたが、最近すごく仲良しだったので、おしゃべりが増えてきたなーって思っているときだったので、すごくつらかった。

 猫の気持ちなんてわからないけれど、無言で意思疎通もできず、ただただじっと待ち続けるのは骨が折れることだと思うんだよね。

 諦めるのが超絶早くて、飼い主は舌を巻いてます。






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