第261話 くてーん

 体調管理が難しいこの頃。

 猫の彼女も、部屋の隅を利用して、涼んでいました。

 私も、クーラーの当たるソファでばてておりました。


 ダイエット中の彼女と私、水分が体から出てしまうので脱水になりそうでした。

 口の中はカラカラ、舌がしびれてきます。

 ダイエタリーメニューのコーヒーをしこたま飲んでも、利尿作用で出て行ってしまいます。


 だんだん吐き気がしてまいりました。

 水を飲んでも味気ないし、のどの渇きはおさまりません。

 砂糖を摂取するわけにいきませんから、塩水を飲みました。


 最初はおいしい、と感じましたがそのうち気分が悪くなり、またソファでだるーんとしておりました。

 そして、スコちゃんはどこへ行ったかなと思い顔をもたげたら……彼女、部屋のど真ん中でくてーんと体を伸ばしておりました。

 これは心臓だなと。


 可愛いなと思いました。

 男神は「馬鹿みたいにでかい猫」と表現しますが、私にとってこれほど無邪気でかわいらしい生き物はない、と目を細めました。

 幸せだなあ。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る