第90話 2020/01/02/木 ざっぱー。ごしごし。

 スコちゃんは、いい子なのだけれど、猫は水を嫌うので、体を洗おうとすると豹変することがあるそうな。

 今日は彼女がどうしても、風呂場が気になっているようだったので、シャンプー抜きで洗ってあげた。


 といっても、ぬるま湯を洗面器にいっぱい、背中にかけてあげるだけ。

 スコちゃん、風呂場中うろうろ逃げながら、それでも鳴き声を上げない。

 体を冷やさないように、用意していたスコちゃんようタオル3枚と、マイクロなんとかいうカラフルなぞうきんでタオルドライしたら、案外楽にこなせた。


 心なしか、さっぱりした感じで、部屋の温度を30℃まで上げておいたのは、心配のし過ぎだと思った。

 だけど、冬だもの。

 当分これで、スコちゃんも風呂場の何たるかを知り、近づかなくなるかもしれない。


 よきかな。


 ドライヤーをヘアケアにして、ローの風量にしたのに、ドアの向こうからこそっとのぞいていて、部屋に近づこうともしない。

 ああ、これで私の部屋は、すこちゃんにとって忌まわしい思い出の地になってしまうのか……。

 夜、なぜか父母の部屋に行きたがるので、どうしてかなと思いつつ、父にスコちゃんの身柄をわたした。


 スコちゃん、本当に人懐こい。

 私を仲間外れにする家族にすら、すり寄っていく。

 ああ、スコちゃんはわたくしの味方ではないのか……かなしい。



 というより、嫉妬します!






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