第17話 エンビ

「いくぞ! インビディア! これが俺のファントム・スラッシューだ!」

 俺は必殺技の斬撃で悪魔インビディアを攻撃する。

「そんなものが、この私に効く訳がない。召喚魔法! ブラック・ウォール!」

 俺の攻撃はインビディアが呼び出した黒い壁に防がれる。

「なにー!? 俺の攻撃が効かないだと!?」

「冥王のハリウッド持ちも大したことがないですね。ガッカリです。あなたの相手は普通のドラゴンで十分です。いでよ! ドラゴン!」

 インビディアがドラゴンを召喚する。その数、10匹。

「ちょっと多かったですね。まあ、あなたたちが先か、魔王城が陥落するのが先か楽しみだな。」

 インビディアは絶対的優位を高みの見物している。

「クソッ!? 俺の攻撃が効かないなんて!?」

 その時、俺の心に声が聞こえてくる。

(まだファントムのハリウッドを使いこなせていないだけさ。)

「声? 誰だ?」

(僕はエンビ。新しい魔王7将軍の嫉妬のエンビさ。)

「エンビ? インビディアが倒したというエンビという悪魔のことかな?」

(そうだよ。不意打ちを食らっちゃってね。僕たち新しい魔王7将軍は倒されちゃったんだ。悔しいよ。)

 エンビは悔しさを滲み出す。

「でも亡くなったおまえと、どうして俺は会話ができているんだ?」

(それは君がファントムのハリウッドを持っているからだよ。だから幽霊になった僕とも話をすることができるんだ。)

「なんかスゴイけど、地縛霊とか悪霊とかが寄って来そうで怖いな。」

 俺が幽霊と話ができるのは、冥王ハーデースから貰ったファントムのハリウッドの能力らしい。

(お願いがあるんだ。僕の力を上げるから、インビディアを、真に新しい魔王7将軍を倒してほしいんだ。僕の無念を晴らしてほしいんだ。)

「分かった。エンビ。約束する。俺があいつを倒す。」

(ありがとう。アーサー。僕の魂を君に託す。)

 エンビの魂が俺のファントム・ソードに入っていく。

「俺とエンビの魂を一つに! エンビ・スラッシュ!」

 俺はエンビのソウルと一つになった剣を振り上げた。

「さあ、そろそろ魔王の城に侵入しますか。」

 インビディアの軍は魔王城の城壁を壊し始めた。

「ドドドッドドドドドドドー!!!」

 その時、何か大きな音がする。

「何の音です? ドラゴンが全滅している!?」

 振り向いたインビディアが見たものは、10匹のドラゴンの死体だった。

「インビディア! おまえの相手は、この俺だ!」

 俺のファントムのハリウッドは死人の魂を吸収して強くなる。

 つづく。

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