第327話 誰かの記憶〜1人...〜

「なんであんなこと言っちゃたんだろう...」


後になって考えれば私の方が悪いに決まっている事に気がつく私。


はぁ...と深いため息を吐きながら家の天井を眺めていると少しだけ落ち着く...。


「今度謝ろう...、しっかり謝ればきっと◯◯も分かってくれる筈...」


そう思いながらゆっくりと瞳を閉じ瞑想する...。


こんな日こそ青空であればまだ気分が晴れよう物なのだが、やはり外の雲行きは怪しい...。


今はまだ曇りだが、そのうち雨が降ってきそうに思えた。


なんで私っていつもこんなんだろう...、こんなんだから友達に嫌われていつも一人ぼっち...。


生まれてこの方、学校で友達を作れた事など一度もない。


自己中心的な考え方が悪いとは思うのだけど、やはり人間という物は自分が一番大切なのだろう...。


当然私もそう思っていたのだが、◯は昔っから積極的に私と話してくれて、いつしか自分よりも彼女の方の幸せを願うようになって...行かないな...やっぱり...。


ぎゅーっと枕を抱きしめながら彼女のことを思う。


(できれば一緒に悠久の時を過ごしたいな...、もちろん親とか学校とかそういう物がない世界で...)


勿論こんな事願っても無理な話であると自分が一番よく分かっていた。


でも...、私はこれだけは欲しいと思う。


彼女の心...。


その中で一番輝く存在に私はなりたいのだと考えているのでした。


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