第94話 ヤヨイとお風呂
「でも始めてだね、カリンちゃんと一緒にお風呂入るの」
「...、そうだね...」
私はそう言いながら濡れた服を脱ぎさるが、なかなか下着が脱げないでいた。
いくら幼少期の体とは言え友人に裸を見せるのは少し抵抗がある。
彼女は小1だから問題ないかもしれないが、私の精神年齢は中3なので少し恥ずかしいのだ。
毛も生えてないあそこを露出することに若干の躊躇いがある。
そんな思いの私を尻目に、彼女は髪をほどきながら遠慮なくすっぽんぽんになった。
「カリンちゃん!早く入ろ!お湯冷めちゃうよ!」
「う...うん...」
せっかくの好意なので無下にするわけにはいかない。
覚悟を決めて下着を脱ぎ払った。
私も生まれたままの姿になると、なんとも言えない解放感を得る。
なんだか変態みたいだが、やっぱり同性とはいえ恥ずかしい物は恥ずかしいのだ。
後から母さんやシスターも来ると言っていたので早めに出たい。
母さんはともかく、私がシスターの裸を見たら意識が飛びかねないからである。
私が石鹸で体を洗おうとすると、ヤヨイちゃんが「私が洗ってあげる」と提案してきた。
「えっ...いいよ自分で洗うから」
私はそう言って続けようとしたが、彼女は私の意思を無視して体を洗ってきた。
それが胸に近くだったので。
「ひゃん!」
思わず変な声が出たので彼女に笑われた。
「カリンちゃん、変な声〜」
「やったな〜」
思わず敵対心が湧き出してきたので、反撃を開始する。
桶にお湯を組んで彼女にぶっかける。
お湯が一気に弾け飛び、彼女の体は水まみれになった。
「ぷはぁ!!、こっちからも行くよ〜!」
彼女も桶をにお湯を入れて私にぶつけてきた。
なんか前世でやった枕投げを思い出す。
小6の修学旅行ではやったのだがとても楽しかったのを覚えている。
だが、流石に中3の修学旅行ではやらなかったので童心に戻るのもいいかもしれない。
疲れをとる場なのに疲れを増すとは一体...。
そう思いながらも、楽しいので仕方がない。
なんか気がついたら浴場が水浸しになる程遊んでいた。
「はぁはぁ...」
お互いに息が切れてきたのでそろそろやめてお風呂に入る。
「さすがカリンちゃんだね...まさかここまで私と張り合うなんて...」
「ヤヨイこそ...、私とここまで互角に遊べるなんてすごいと思うよ...」
自分が凄いとは思っていないが、前世でこういう遊びで私は無敗だったのだ。
無駄に遊びだけ強いのは、神さまからの贈り物なのだろうか?。
正直に言うと、そんな特技いらないので勉強の方の頭をください。
そんな事を思っていると、母さんとシスター、それに女の子の子供達が入浴してきた。
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