第50話 食後

「ご飯食べ終わった?」


 母さんが私とお兄ちゃんに声をかけてきた。


「うん、美味しかったよ」


 私は母さんにお礼を言う。


「やっぱ母さんの作るご飯は美味しいな」


 お兄ちゃんは笑顔で母さんの方をみると「もうっ、ローシュは昔っから口が上手いんだから」と母さんが言いながら片付けを始める。


「母さん、私も手伝う!」


 私がお皿洗いなどを手伝う為、子供用のエプロンをつける。

 椅子をもってきてなんとか台所の机の上が見えるくらいの身長なので、少し危ないが、皿洗いくらいなら手伝える。

 水道の魔道具に魔力を込めて水をだし、皿を洗っていく。


「えらいわねカリンちゃん、母さん助かっちゃう」


 母さんにそう言われると、嫌でもやる気が出る。

 二人でやったので思ったよりも速く洗い物が終わったので、母さんの魔法が見てみたいと言ってみる。

 すると、母さんが少し困ったような顔をしたので私は驚いた。

 今までは母さんののほほんとした顔しか、ほとんど見たことがなかったので、この困り顔を見ると少し心にくるものがあった。

 けれど、それでも母さんの魔法がどうしても見てみたかったのでお願いを続けたら、なんとかOKをもらう事が出来た。

 母さんの魔法を観ることができるのは、正直楽しみである。

 私は笑顔を浮かべながら、母さんの顔を見ていた。


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