第48話 アアルの成長

「カリン〜お腹すいた〜」


 やっぱり喋ってるよね!!?。

 訳がわからない現実に、私は頭を抱えていると、お兄ちゃんが「おお〜」と声を上げた。


「すごいなカリン!もう使い魔に言葉を教えたのか!」


 彼はアアルのほっぺたを指で突きながら笑っている。


(この世界の鳥って言葉を覚えれるの!?)


 そう思ったのだが、前の世界にも人の言葉を喋れる鳥がいたのを思い出して、そういう存在もいる物なのだと思い込むことにした。


「ねぇ〜カリン!お腹すいたからもう帰ろ〜」


 それにしてもはっきりと人の声が聞こえてくるのは、やはり違和感がすごい。

 鳥の姿で人の言葉が喋れるというのはロマンチックではあるのだが、実際に現物見てみると奇妙なことこの上ない。

 でもアアルの言う通り、もう昼過ぎなのでそろそろ昼食を食べに帰らなくてはならない。

 お兄ちゃんとの散歩も楽しかったけど、一度中断して昼食を食べ終わってからまた付き合ってもらおう。

 彼の話を聞いていけば、本物のカリンの性格などが分かるような木がしたからである。

 一度トウマと別れた私達は、家に向かい歩き始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る