命ーもう逢えないあの人へ


今こうして当たり前のように生きていられるのは

あなたが僕に命を与えてくれたから

目にも見えないくらい小さな僕が

今ここまで大きくなれたのは

あなたが自分の命を削り

僕の命を育んでくれたから


でも弱い僕は時に

あなたから与えてもらい

あなたから育んでもらった命を

軽んじてしまうことがある

いつからか死を

いつも近くで感じるようになってしまったから


弱さに負けて自分を傷つけてしまいそうな時

手を強く握り胸もとへ持っていく

心臓の動きを感じつつ目を瞑る

命をこの目で見ることはできないけれど

あなたの顔を思い浮かべる


僕だけの命ではないんだ

僕だけの命ではないんだ

僕だけの… …

命ではないんだ……


目を開けて

あなたが与え育んでくれた命とまた歩みを続ける

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