(3)通り雨

その日は、夜も雨が降っていました

私は傘を忘れたから

びしょ濡れになりました


奇跡なんて起こらないということを

私は知っています


私はびしょ濡れになって

自動販売機でビールを買って

ビールを飲んで、吐いて、

雨の中、すっころびました


私はビールを飲んで、吐いて、すっころんで

君のことを想いました


私はビールを飲んで、吐いて、すっころんで


通りすがりの人に、汚ねぇ、と言われて


あの! 通りすがりのあなたに何が分かるんですか?


分かります

その気持ちは、いつしか、消えていく


その気持ちは、いつしか、消えていきます

いつしか、消えていく、その想い


その日の雨、その自動販売機、そのビール

忘れた傘、通りすがりの人


その日の夜、私はびしょ濡れになって

ビールを飲んでいました


すっころんで、すっころんで

いつしか、消えていく、君への想い


その日は、通り雨が私を

びしょ濡れにしました


通り雨が私を

びしょ濡れにしました

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